「どうして赤ちゃんを手放せるの?」――ある代理母が本音を語る
赤ちゃんを依頼者の腕の中にそっと抱かせてあげたその瞬間、私の心は悲しみに張り裂けるのではなく、喜びであふれていました。
私が代理母を務めたことを話すと、よく聞かれる質問がひとつあります。
「9カ月もお腹の中で赤ちゃんを育てておいて、どうしてその子を手放せるの?」
この質問をしたくなる気持ちはよくわかります。表面的には、確かにとてもつらいことのように思えるかもしれません。でも、実際に代理出産の過程を経験すると、それは多くの人が想像するものとはまったく違うのです。
代理母になることについて初めて話し合ったときから、この赤ちゃんは私の子ではないとわかっていました。私は自分の家族を増やすために代理出産をしたわけではありません。私の役割は、とても特別なものでしたが、「母親」としてではなく、まったく別の形のものだったのです。
「私は、依頼者の赤ちゃんが安心して成長できる“居場所”をつくっていたのです。最終的に、依頼者がその子を腕に抱けるようになるまで。」
妊娠中、私が感じていた絆は、「もう一度母親になる」ためのものではありませんでした。それは「自分の子どもを迎えるため」ではなく、「託された命を大切に守り育てる」という想いから生まれた絆でした。
すべての健診、すべての健康的な食事、そしてお腹の中で小さな命が動くたびに、私は自分に言い聞かせていました。「これは依頼者の赤ちゃんであり、彼らの夢であり、奇跡なんだ」と。私はただ、その夢を現実にするお手伝いをさせてもらうという、特別な役割を担う存在だったのです。
多くの人は、いちばんつらい瞬間は「出産して赤ちゃんを手放すこと」だと思っているようです。でも私にとって、それはむしろ最高の瞬間でした。
私は出産のとき、依頼者の方に立ち会ってもらうことができました。
赤ちゃんを依頼者に抱かせたその瞬間は、悲しみではなく、ずっと待ち望んでいた感動の瞬間でした。依頼者が初めて我が子を腕に抱いたときの、あの輝くような表情──
その光景は、これからもずっと私の心に残り続けます。
私の心は砕けたのではなく、あふれるほど満たされていたのです。
代理出産は「失うこと」ではありません。それは「愛」の物語です。これまで存在しなかった家族を生み出す、奇跡のようなプロセスです。
そして私にとって、この物語の一部になれたことは、人生の中でもっとも尊い経験のひとつでした。
それは「赤ちゃんを手放すこと」ではなく──「この世界でいちばん美しい“はじめまして”に立ち会うこと」だったのです❤️
振り返ってみると、私の代理出産の旅を表す言葉は「美しい」だと思います。
もちろん、決して楽な道ではありませんでした。通院や投薬、妊娠に伴うさまざまな浮き沈みもありました。でも、そのひとつひとつに意味があり、すべての瞬間が本当に価値のあるものだったのです。
あの経験が、今の自分の仕事につながるなんて、当時は想像もしていませんでした。
そのときの私はただ、“子どもを授かることが難しい家族の力になりたい” その思いだけでいっぱいでした。代理出産を通して、私は自分自身の強さや、人生のしなやかさ、そして、依頼者が心を寄せ合いながら支えてくれることで生まれる、かけがえのない絆の力を知りました。
今では、代理出産エージェンシーのインテイクマネージャー(代理母希望者の相談窓口)として、私はこの旅の“もう一方の側”に立っています。
代理母になることに興味を持った女性たち──期待に胸をふくらませている人、不安を感じている人──そうした方々と、最初にお話しするのが私の役目です。
この仕事を軽く受け止めることはありません。なぜなら、私自身もかつて同じ立場にいたからです。「本当に自分にできるのだろうか?」「良い代理母になれるのかな?」「このかけがえのない“贈り物”を届けるというのは、実際にはどんな経験なのだろう?」
そんな思いを抱いていた自分を、今でもはっきり覚えています。
私の代理母としての経験が「美しい」と感じたのは、それが自分だけのものではなかったからです。それは、愛と希望、そして奇跡を生み出すことに満ちた時間でした。
この経験は、これからの人生で、ずっと私の中で生き続ける大切な宝物です✨
アジア圏にお住いの依頼者をはじめ、LGBTQカップル、シングルペアレント、米国内外の依頼者など、どなたであっても、ACRC Global/MARGはアメリカでの代理出産、卵子提供、精子提供プログラムにおいて信頼できるサポートを提供しています。